承前

 5年後、復活「ゴジラ」の続編として「ゴジラvsビオランテ」が公開された。監督、特技監督が一新されてストーリーや特撮に新しい方向性が伺えたが(とはいえ、個人的には納得できるものではなかった、ゆえに観賞後その足で「バック・トゥ・ザ・フィーチャー」を観に行った)、会社が期待したほどの大ヒットにはならなかった。
 その後は過去の人気怪獣を登場させ、最新のランドマークを舞台にゴジラと戦わせるだけが売りの安易な作品ばかりになってしまった。
 「ゴジラvsキングギドラ」(1991年)、「ゴジラvsモスラ」(1992年)、「ゴジラvsメカゴジラ」(1993年)。この3作が大ヒットしたものだから、以降、キングギドラ、モスラ、メカゴジラは何かというと客演させられることになる。

 当時、確かにキングギドラやモスラの復活に心躍らせたものである。しかし映画鑑賞後は違和感ばかり覚えていた。
 まずドラマにノレない。ストーリーがひどすぎるのだ。
 たとえば「vsキングギドラ」は未来人がタイムマシンを使って過去を改竄、ゴジラをこの世から抹消しようとしたりキングギドラを誕生させたりする。タイムパラドックスの問題にはまったく触れず、展開はご都合主義の極致。ハリウッド映画を引用したショットのあまりに素人臭い演出、ビジュアルに萎えた。
 せめて特撮、そのビジュアルだけでも堪能したいのに、ミニチュアセットにおける着ぐるみの肉弾戦、ピアノ線による操演、それを神の視点だとかなんとか中途半端なアングルで狙うから怪獣の巨大さなんてまるで感じられなかった。
 「vsモスラ」はモスラ(幼虫&成虫)の造形にがっかりしたことを覚えている。

 昭和シリーズのゴジラは、「ゴジラ・モスラ・エビラ 南海の大決闘」で「あいつも悪気があったわけじゃないからな」と人間にお墨付きをもらってから以降、一気にアイドル化、ヒーロー化していく。「怪獣島の決闘 ゴジラの息子」ではミニラという子ども怪獣が登場する始末。
 その反省を踏まえて原点に返って恐怖の対象としてゴジラを復活させたはずなのに、同じ現象が平成シリーズでも起こるのだ。

 「ゴジラvsメカゴジラ」で登場したベビーゴジラは明らかに女性や子どもたちの人気を当て込んで設定されたものである。とはいえ、ゴジラザウルスという恐竜の幼体であり、そのスタイルもぎりぎり恐竜と言えるものだった。にもかかわらず、次の「ゴジラvsスペースゴジラ」に登場するリトルゴジラはかわいらしさを強調したマスコット然とした体形、まさに平成のミニラだった。
 ベビーゴジラがどう成長すればリトルゴジラになるんだ! リトルゴジラの造形に憤慨しているところに、登場人物の一人がラストに「あいつ(ゴジラ)はいい奴だった」云々と言うではないか。平成ゴジラシリーズを見限ったのはこのときだ。そんなわけだから、シリーズ最終作「ゴジラvsデストロイア」ではゴジラの死が描かれるとはいえ、何の感慨もなかった。
 当初の予定どおり「vsメカゴジラ」でシリーズを終了させていたら、平成シリーズの印象も変わっていたかもしれない。

 この項続く




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No title
へぇ~。
再開はじめてのコメントありがとうございます。
って、どちらさまですか?
No title
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未来に戻る映画なら知ってるけど。?
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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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