承前

 1998年、ハリウッド製「GODZILLA」が公開された。
 ハリウッドでゴジラが製作されると知ったときは、もう日本製のゴジラ映画を観ることはできないのではないかと思った。制作費は日本のそれと桁が違う。そんな巨額な制作費によるVFXで描かれたリアリティあふれる巨大なゴジラや都市破壊を見せられたら、東宝のミニチュアセット、着ぐるみによる特撮なんて色褪せてしまうだろう。
 そうなっても仕方ないと思う自分がいた。そのくらい平成ゴジラシリーズには失望していたのだ。
 90年代半ば以降、映画ではガメラが、TVではウルトラマンや仮面ライダーが復活した。どれも新しい解釈による設定がなされ面白い作品になっていた。特に平成ガメラシリーズは、ドラマもビジュアルも平成ゴジラシリーズを凌駕していた。

 イグアナが核実験の影響で巨大化しただけのハリウッド製「GODZILLA」は不人気で、その結果、東宝は新しいゴジラシリーズ(ミレニアムシリーズ)に着手する。
 第一弾「ゴジラ2000ミレニアム」(1999年)はゴジラの造形や特撮(の一部)に見るべきところはあったものの、ドラマは平成シリーズ同様に、いやそれ以上に噴飯ものだった。
 続く「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」(2000年)は前作よりは良くなってはいるものの、快哉を叫べるレベルではなかった。とにかく、登場人物が皆薄っぺらく、ストーリーを語るためのコマでしかないのだ。これは平成シリーズから言えることだ。

 第三弾「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」(2001年)でやっと溜飲を下げられた。ゴジラの巨大さ、怖さを前面に押し出した作劇、人間の視点で怪獣バトルを描く特撮には格別のものがある。
 平成シリーズ、ミレニアムシリーズのほとんどの作品はビデオ(DVD)になってから観賞したことはないのだが、この作品だけは何度も借りている。
 が、そうこうするうちに思うようになった。モスラ、キングギドラが当初の設定(バラン、アンギラス)どおりだったら、作品的にはもっと面白くなったのではないか、と。やはりモスラ、キングギドラはミスキャストなのだ。

 第四弾、第五弾の連作「ゴジラ×メカゴジラ」(2002年)、「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」(2003年)もビジュアル的に面白いところもあったが、もう一度観たい!という気持ちにはならない。
 結局のところ、ゴジラ映画は、ゴジラとモスラ、キングギドラ、メカゴジラで成り立っていたといえる。ミレニアムシリーズも平成シリーズと同じく最初はゴジラの対戦相手に新怪獣が考慮されるのだが、評判が悪いとなると、より一層の集客のため、モスラ、キングギドラ、メカゴジラが出演することになる。
 これではストーリー(ドラマ)も、ビジュアル(怪獣バトル)も同じようなものになって飽きがきてしまう。「大怪獣総攻撃」でモスラ、キングギドラはミスキャスト、というのは、まさしくゴジラ対モスラ、ゴジラ対キングギドラのバトルに食傷しているから夢中になれないということなのだ。

 この項続く




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新井啓介
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まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町のブックカフェ二十世紀で働いています。さまざまなイベントを企画、開催していますので、興味あれば一度覗いてみてください。

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