承前

 花見(吟行)タイムの後は文化会館見学だ。
 西武庫公園からバスに乗り文化会館近くの停留所で降りる。しばらく住宅街の中を歩いていく。この住宅街の中に後藤宅があったとのこと。すると大村崑宅もこの近所だったのか。

 児童公園が見えてきて、その向こうに青い屋根があった。
 見学と聞いていたので、かつて自分がそうしたように建物を外から眺める程度だと思っていた。
 文化会館という名の公民館。外観は普通の民家のようだ。あれっ? 後藤さん、平山さんが中に入っていった。中も見学できるのか! 

 中はけっこう広かった。玄関を入るとすぐ左が事務室だ。後藤さんが年配の事務員に話しかけた。それでわかった。ちゃんと予約していたのである。
 通路をそのまままっすぐ行くと右が講堂だ。靴を脱いでスリッパに履き替える。講堂は学校の体育館を小さくしたような作り。ちゃんと壇上まである。グランドピアノも。
 皆で壁際に畳んである折りたたみテーブルを組み立てて三角形みたいなロの字(?)に並べた。手のあいている人はしまってあるパイプ椅子を人数分取り出してテーブルに押し込んだ。
 セッティング終了。
 壇上を背に後藤さんと平山さんが座り、そのほかをメンバーで埋める。
 後藤さんが言った。
「じゃあ、最初に亡くなった山本俊彦くんに黙祷します」
 1分間の黙祷。

 確かに、団塊の世代で亡くなった人たちがいる。たとえばGSの方々。カーナビーツのアイ高野、モップスの鈴木ヒロミツ、ジャガーズの岡本信。ショックだった。そのショックをまさか赤い鳥のメンバーで受けるとは思わなかった。考えたこともなかった。
 心の中で合掌した。

 黙祷のあとは、吟行のまとめ。
 提出された俳句を平山さんが用紙に書き写し、それを回覧して、良いと思うものをチェックしていく。
 いや、その前に桜湯があったか。
 後藤さんが、桜の花びらを湯飲み茶碗に入れてお湯を指していく。飲んでみるとしょっぱい。桜湯というものが初めての体験だったので、後藤さんに訊ねると、桜の花はあらかじめ塩漬けされているという。

 そして、後藤さんの赤い屋根の家コンサートの思い出話。
 それで終わりかと思ったら、ギターを取り出した。
 えええェー!
 Sさんが持っていたギターって後藤さんのだったのか。

 マイクなしで「竹田の子守唄」。平山さんのネンネンヤーが講堂に響き渡る。それから「Hey!」。初めて知ったのだが、「Hey!」は赤い屋根の家コンサートのテーマソングだった。
 そんな歴史があったのか。個人的には紙ふうせんのデビューシングル「いかつり唄」のB面、ファーストコンサートの1曲目という印象だったので。
 やっぱり来てよかった。
 会館の事務員の人たちも椅子に座って聴いていた。

 
 その後、駅近くの中華料理店に移動して交流会最後の締め。俳句の選評会というわけだ。
 自慢じゃないけれど、って自慢なんだけど、私の句が四点句(全部で五句)に選ばれた。
 これでトラウマから脱出できるか。
 
 例年4月、5月に開催されるシークレットライブは今年7月に行われた。会場はこの武庫之荘・文化会館。参加したかったけれど、その日はどうしても休めない行事があって、泣く泣く諦めた。




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プロフィール

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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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