「シン・シティ 復讐の女神」の試写会の入場待ちのため、有楽町ビックカメラビルの階段にできた列に並んでいるとき携帯が鳴った。水木ノアさんだった。
「Kさんのバンド、プライム楽団のライブが10日にパピーズであるんだけど、一緒に行きませんか?」
「行きます、行きまーす!」
 三連休だから、大丈夫だろうとすぐに返事をしたのだけど、後で考えたら、2日め、3日めだったらNGだった。
 
 Kさんとは紙ふうせんのFC東京交流会で知り合った。地元(千葉)のオヤジバンドで活動していることは教えてもらっていた。ライブに接したことはないのだけれど。
 ただ、どこをどう探しても手に入らない泉谷しげるのアルバムを借りたとき、会った場所が神田だったので、居酒屋で飲んだ後に、フォーク酒場に立ち寄ってKさんの弾き語りを聴いたことがある。

 昨年の6月、久しぶりに東京で交流会があった。その連絡の電話だったと思うが、Kさんのバンドが錦糸町のパピーズでライブをやっていることを知った。
 パピーズなら何度か行ったことがある、と僕が反応してつけ加えた。「水木ノアさんという歌手が出演するライブがあって」

 ノアさんはもともとGODDESSというロックバンドのヴォーカリストとして活動していた。そのときは四谷のライブハウス「アウトブレイク」をホームグラウンドにしていたが、解散してからは錦糸町パピーズのイベントライブに出演するようになった。
 このパピーズ、店内に60年代、70年代グッズがいっぱいで、興味ある人にはいろいろ楽しめるワンダーランドなのだ。
 それはともかく、Kさんの一言に驚愕した。
「ノアさん知っているよ」
 
 3月7日に紙ふうせんのコンサートがよみうり大手町ホールで開催される。この情報を知ったとき、ノアさんに観てもらいたいなと思った。できれば、翌日の「赤い鳥・紙ふうせん アマチュアコピーバンド大会」も。Kさんのバンド、プライム楽団も出演するので。
 ただし、こちらの勝手な理由で約3年音信不通にしていたので、ノアさんと連絡とるのに苦労した。ノアさん、けっこう天然なのでいろいろドタバタがあったのだが、それもまた別の話。
 とにかく、12月、元「まぐま」同人のK氏(って、プライム楽団のKさんとは別の人)から新作の上映会があると連絡をもらって、3年ぶり(以上?)に池ノ上のシネマボカンへ行くと、ノアさんと再会した。映画に出演していたのだ。
 上映会後の懇親会で、Kさんのことを話すと、今度はノアさんが驚いた次第。
 

 この項続く




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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