一応前項から続く

2014/10/24

 「紙ふうせん40周年記念リサイタル なつかしい未来 Vol.9」(兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール)

 この2年、Vol.7、8と続けて参加できなかった。この間に会場が梅田のサンケイホールブリーゼから西宮の芸術文化センターに変更になった。紙ふうせんの地元である。
 梅田から阪急電車(神戸線)に乗って、「西宮北口」駅で降りて、デッキを歩いて数分のところに兵庫県立芸術文化センターがある。素敵な会場だった。
 ちなみに西宮北口駅があるのなら、西宮南口駅があるかといえばない。変わった駅名である。

 芸術文化センターには3つ(大中小)のホールがあって、中ホールは阪急なのに、大ホールにはKOBELCO、小ホールには神戸女学院の名前がついている。不思議がっていたら、FCの方にネーミングライツだと教えてもらった。ああ、そういうわけね、と得心したのだが、ホールごとに分割して権利を売却するなんて「さすが関西!」と唸った次第で。

 6月に40周年記念アルバム「冬が来る前に ~なつかしい未来~」がリリースされたので、この中でリサイタルで演奏されるのはどの曲か考えた。

 今回のアルバムは前作「GOLDEN☆BEST」と対になっている。補完しているといってもいい。前作同様にレーベルを超えて全アルバムからセレクトされ、リリース順、収録順に並ぶ。ただ本当なら1曲めとなる「ささぶね」の前が「またふたりになったね」となっている。その意図は大いに理解できる。

 今回の大きな特徴は、伝承歌特集の「リターン」から多くの楽曲が収録されていることだ。、お気に入りの「太地綾踊唄」には快哉を叫んだほど。また、フォルクローレ特集のアルバム「愛と自由を」からは「木こりのわが子へ唄(歌)」が取り上げられていてうれしくてたまらない。
 そのほかにも、ファーストアルバム「またふたりになったね」からは「ささぶね」「青い山赤い山」「またふたりになったね」、CBSソニー移籍第二弾「フレンズ」からは「二人のハーモニー」と僕好みの楽曲が網羅されている。ライブ録音の「竹田の子守唄」や「翼をください」に大感激。

  【第1部】

  紙風船/ささぶね/いつも心に青空を/街を走りぬけて
  竹田の子守唄/草取り唄/二人のハーモニー/船が帰ってくる

 「紙風船」を歌いながら、ふたりが登場した。なんと客席(ステージ下手)からスポットライトを浴びながら。
 リサイタル「なつかしい未来」の第1回もやはり「紙風船」で登場したのではなかったか。
 
 中学3年のときに学年全員で参加した市の合唱大会を思い出した。僕たちは「紙風船」を歌いながら登場したのである。
 音楽のK先生は、大学を卒業したての若い先生。2年から音楽を担当したのだが、授業で教科書を開いたことはほとんどなかった。かなりユニークな授業だったと記憶する。3年になると突然赤い鳥のレコードを聴かせてくれた。ライブ盤「ミリオン・ピープル」だ。
 K先生の指揮で合唱大会に参加したわけだ。歌は「翼をください」+α。現在「翼をください」は合唱曲の定番になっているが、当時はどうだったのだろうか。

 はじまりは紙ふうせんのテーマ曲「ささぶね」。アメリカ民謡に後藤さんが詩をつけた。
 「竹田の子守唄」に続いて披露されたのは「草取り唄」だった。これは予想していた。前奏から印象深く、よく鼻歌で口ずさんでいた。

   七つ下がりて 田の草をとれば 
   のばの露やら なみだやら
   のばの露やら なみだやら

 〈七つ下がりて〉の意味もわからずに歌っていた。
 後藤さんが説明してくれる。
「七歩下がって、とちゃいますよ。時間のことです。午後4時過ぎを言います」

 初めて生で聴く「二人のハーモニー」に感慨ひとしお。

   二人のハーモニー
   流れる川のように
   青みどりの海に届け

   二人のハーモニー
   はばたく鳥のように
   この歌をあなたに

   明日くる世界に
   子どもらの手をとり
   希望の舟出を歌おう
   この国のどこかに
   よろこびと悲しみ
   わかちあえる君がいる限り

 ふたりのメッセージがまっすぐ伝わってくる。曲も雄大だ。
 
 アルバム「フレンズ」を聴きまくっていた10代後半、コンサートのラストで合唱団をバックにして歌ったらすごい迫力だろうと思っていた。レコードではふたりの声を多重録音して深遠なるコーラスを作り出しているが、コンサートでは無理なので、それを合唱団で表現すればと。
 


natsumira huyukuru044
冬が来る前に ~なつかしい未来~

 
 この項続く




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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