2014/10/24

 「紙ふうせん40周年記念リサイタル なつかしい未来 Vol.9」(兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール)

 承前

 【第2部】

 休憩後、第2部開始。
 
 バックアップミュージシャンを記しておく。
 
 浦野直(ウッドベース)
 今出哲也(ピアノ)
 すぎたじゅんじ(ギター&ヴォーカル)
 織川ひろし(ギター&ヴォーカル)
 田中ヒロシ(ドラムス)

 金関環/ラ・ストラーダカルテット(ストリングス)
 
 これまでは、1部のバックは少数精鋭、2部はフルメンバーによる豪華セッションという差別化がなされていたが、今回は最初から全員参加だ(昨年、一昨年は知らないが)。ラ・ストラーダカルテットのみ、2部からの参加。

  The Skater’s Waltz/Danny Boy/Volare
  The Water Is Wide/Up Up and Away
  虹/翼をください/Route-43/冬が来る前に

 前々回から第2部の前半はゲストをMCにした、後藤さんと平山さんのミニ紅白歌合戦というようなコーナーになっていた。前々回、前回は噺家さん、今回はサンテレビのアナウンサー、谷口英明さん。関西では野球中継の実況(阪神戦!)で有名らしい。
 コーナータイトルは「タッキーの部屋」。

 最初の「The Skater’s Waltz」はラ・ストラーダカルテットの演奏のみ。カルテットの紹介ですね。
 演奏が終ると、タッキーが登場して歌合戦開始。「ダニーボーイ」って、スコットランドの民謡なのか。
(ちなみに同じスコットランド民謡の「The Water Is Wide」はNHK朝のテレビ小説「マッサン」の挿入歌になっている。「花子とアン」でも歌われた。)

 タッキーさん、最後は後藤さんのリクエストで、阪神が逆転優勝する実況をするはめになるのだが、これが良かった。もしかしたら、2部のクライマックスはこの架空実況ではなかったかしらん。

 架空実況を聞きながら、高校時代を思い出していた。何年生だったか忘れたが、地理の時間、S先生が、太田高校が甲子園で優勝する瞬間を実況してくれたのである。このS先生、学生時代はアナウンサー志望だった。いつも群馬大会の初戦で敗れてしまう高校が甲子園に出場して優勝してしまうのだから、僕たちは夢中で聞き入っていた。
 
 「Up Up and Away」、英語のタイトルだとわかりにくいが、邦題にすると「ビートでジャンプ」。フィフス・ディメンションのヒット曲、というか、赤い鳥初期のレパートリーではないですか! セカンドアルバム「RED BIRDS」に収録されている。もう懐かしくてたまらない。

     ▽
 1974年9月30日、東京日比谷公会堂にて「紙ふうせん出発コンサート」が開催された。紙ふうせんの2人とBassの浦野直、Chelloの野瀬正彦、Pianoは平山泰代がプレイ、小編成のステージ。いかつり唄、ヘイ!、竹田の子守唄、もう一度帰ろう……入場料は900円。主催は東京労音。
 あれから40年。兵庫県立芸術文化センターにて、40周年記念―なつかしい未来vol.9の開幕である。
     △

 入場時に配付される「なつかしい未来新聞」にふたりが書いている。

 アンコール
 大きな木/人生の花束

  この季節にぴったりの「冬が来る前に」を歌い終わると、とりあえず全員ソデにはける。客席の拍手に導かれて、また全員がステージへ。
 アンコールは新曲2曲。後藤さんと平山さんのオリジナル。

 フォークグループ(デュオ)・紙ふうせんは紙風船と誤記されることがままあるが、本当に紙風船を名乗ったことがあることをご存知だろうか。
 東芝EMI、CBSソニー、キングレコードとレコードメーカーを移籍してきたふたりは、自分たちでレーベルを作ったことがある。

 ウエストウィングスという名称で、海外録音第二弾アルバム「ECHO OF LOVE」、シングル「みつめて」と「ECHO OF LOVE」をリリースしている。このときのジャケットには「紙風船」と明記されている。
 後藤さんの作詞作曲の「ECHO OF LOVE」は「冬が来る前に ~なつかしい未来~」にも収録されているが、ヒット狙いを感じる楽曲である。残念ながらヒットしなかったけれど(いい曲ですけどね)。

 後藤さんの「大きな木」はそれと対極にあるような曲で力の抜け具合が心地よい。
 「人生の花束」は平山さんの作詞作曲。感謝の気持ちを花束の花の色にたとえてピアノをバックに歌っている。ステージでは平山さん自身の弾き語りで聴いてみたいな。

 さて、リサイタル「なつかしい未来」は来年のVol.10で完結となる。今回、後藤さんは「五木の子守唄」の取材について語られていた。来年の完結編ではその研究結果が発表されるのだろうか、とても楽しみだ。

 その前に東京でリサイタルがある。
 果たして東京リサイタル「なつかしい未来」は、Vol.9の再演になるのか、はたまたVol.1~9の総集編的内容になるのか?
 セットリストに変更はあるのか否か?
 開催までの半年間あれこれ勝手に想像したい。




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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