2004年は紙ふうせん30周年という年。秋の記念コンサートの前に、ライブハウスで後藤さんのソロライブがあった。
 翌27日は朝一番の新幹線で東京に向かいそのまま出社したのだった。
 朝食のパスタの味は一生忘れない。

     ◇

2004/05/26

 「後藤悦治郎ソロライブ at JAZZ・ON TOP」  

 後藤さんのソロライブが開催されると聞いて胸が疼いた。平日の開催、しかも場所は大阪のライブハウス。行くのはほとんど無理な話、どんな内容なのかだけでも知りたくてナカソギ・筒井道隆・マネージャーに電話で確認すると、何とバックが竹田一彦さん(ギター)と浦野直さん(ベース)だというではないか。これは行くっきゃないでしょう。  

 僕にとって竹田さんは幻のギタリストだった。初期の赤い鳥コンサートで、バックをつとめていた竹田一彦カルテットについては文章でしかお目にかかったことがなく、実際のプレイなど見たことがなかった。しかし紙ふうせんの通算4枚目のアルバム、CBSソニー時代の「フレンズ」でその実力に触れることができた。バックミュージシャンの一人が竹田さんだったのである。

  B 浦野直 G 竹田一彦 key 勝山晃男 Dr 浜崎衛 Bj 西尾治博
 
 「フレンズ」は紙ふうせんのアルバムの中でもベストの出来だと思っている。アダルトでジャジーな雰囲気と紙ふうせんのアットフォームな世界が見事にドッキングしていた。大学生だった当時四畳半のアパートでダビングしたカセットテープを何度も聴いたものである。悲しいかな、紙ふうせんファンになった友人にテープをなかば強引に持っていかれてしまった今、このアルバムを聴くことができない。我が家にはCDプレーヤーしかないのだ。CDで復刻されないのが残念でならない。  
 とにかく「フレンズ」のサウンドが僕の琴線に触れてからというもの、一度は実際のプレイをこの目で拝見したいと思い続けていた。浪速のミッキーカーチス・浦野さんとの共演もわくわくもんである。     

 ちょっと早めに会場に入ると平山さんが笑顔で出迎えてくれた。あくまでの〈お客さん〉である平山さんは、まるでお店のチーママのようにかいがいしく動きまわっていた。満席。紙ふうせんファンの常連さんばかり。ビールを飲みながらのライブ鑑賞は特別な味わいがある。  
 初めて生で見る竹田さんは浜口庫之助をもっとダンディにしたような方だった。

 ライブはまず竹田さんのギターによるインストゥルメンタルで始まった。くぅ~、いい。  
 単独のライブで後藤さんが何を歌うのか、というのも興味の的。何とスタンダードナンバーのオンパレードだった。エルヴィス、ビートルズ、ガーシュイン、パットブーン、etc。
 
 中央に後藤さん、ステージ向かって左側に竹田さん、右側に浦野さんという配置なのだが、後藤さんが椅子に座って目の前に譜面台を置き、楽譜を見ながらギターを弾き、歌う姿を初めて見た。本人曰く「いたわりライブ」ならではの光景。  
 入れ換えなしの2ステージ。


 第一部
 インストゥルメンタル/?/Can't Help Falling In Love/First Time /Hi-lili-Hilo(ハイ・リリー、ハイ・ロー)/Bridge Over Troubled Water(明日に架ける橋)/Someone to Watch Over Me

 第二部
 ワンマンバンド/Love letter in the sand(砂に書いたラブレター)/Blue Christmas/Love/Summer Time/I Left My Heart in San Francisco(霧のサンフランシスコ)/ルート43/街を走りぬけて  


 後藤さんの真骨頂を「Summer Time」の解説で感じた。歌詞を翻訳し、その意味の裏側に隠れた真実をあぶりだす。「Summer Time」の世界がくっきりと目の前に浮かんで見えた。「後藤悦治郎の世界/語る伝承歌・歌うフォークロア」はこの線を狙っているのだ。

 スタンダードナンバーではちょっとおスマシの後藤さんだが(照れもあるのだろうか?)がぜん元気になるのがいつものナンバーを歌うときだ。第2部開始時の「ワンマンバンド」は何年ぶりに聴いたのだろうか。感激。「紙風船」「まつり」「街を走りぬけて」と並ぶ名曲だと思う。

 アンコールでは客席にいた平山さんがステージにあがって「Love Me Tender」。たった1曲で歌姫ここありと主役の座を奪ってしまった(いつの日か、平山さんのワンマンショーを拝聴したい)。
 大ラスはボブ・ディランの「風に吹かれて」。

 秋に開催される紙ふうせん30周年記念リサイタルが今から楽しみだ。




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町のブックカフェ二十世紀で働いています。さまざまなイベントを企画、開催していますので、興味あれば一度覗いてみてください。

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