本日、もう昨日だけど、シネりんだった。テーマの映画は「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」。議論白熱。楽しかった。冒頭の映像もこの映画を観るための予備知識になる。
 わかったのは、この映画の予告編はまるで映画の実態を伝えていないということ。予告編で映画に興味を持ったあまり映画に詳しくない人はたぶん裏切られると思う。

          * * *

2003/02/01

 『友達夫婦デュオ「紙ふうせん」が家族を語る ~トークと歌でつづる夫婦愛~』(平塚市中央公民館ホール)  

 紙ふうせんが久しぶりに関東にやってきた。いや、昨年の10月までラジオ番組のパーソナリティーをやっていたから何度も東京へは来ていると思う。8月には「思い出のメロディー」に出演もしている。ただコンサート、ライブはというと2年前の箱根以来だ。

 1日は平塚市が主催する男女共同参画フォーラムのイベント。整理券を申し込んだ友人に対して事務局は「コンサートではありません、講演ですよ」と強調したとのこと。逆に喜んだ。結婚のこと、子育てのこと、いろいろ聞きたいことがある。思う存分おふたりでお話ししてください! ってな感じ。
 
 平塚の夜は寒かった。震えながら会場に到着すると長い列ができている。開場までまだ5分ほど時間があったが、受付が始まった。あまりに寒いので主催者側の判断なのかもしれない。  
 会場内に入ると、ステージにはピアノとギターが置かれている。前回静岡県引佐町のトーク&コンサートと同じセッティングではないか。  

 時間になるとまず市長の挨拶があって、後藤さんが一人で登場した。  
「出身が関西なので、ふたりで話をすると、どうしても漫才になってしまう」
 そこで前半は後藤さん一人のトーク、後半に平山さんも登場してコンサートしますと説明して〈講演〉に入る。  
 
 高校3年で同じクラスになったこと、ふたりでフォークソングを歌いだしたこと、赤い鳥の結成、動物園でのプロポーズ、再度のプロポーズ「これからの人生、わりかんでいかへん?」、結婚、紙ふうせん結成、子育てetc。

 後藤さんが場に慣れてきたとわかるのは話の間に「ンね」が入るかどうかだ。文字にするとわかりづらいが、要所要所に聴衆に確認する、あるいは自分に納得させるためなのか、語尾に「ンね」がつく。要は会話のアクセント、癖である。聞く側としてこの「ンね」が心地良い。それが途中から頻繁に聞こえてきた。こうなれば後藤さんの話術にゆっくり身をまかせればいい。  

 コンサートではふたりのほかにピアノで海老原さんが加わった。関東のライブやコンサートではこの10年くらいずっと担当している。ルックスはアイ高野似。森久美子のバックミュージシャンで活躍されている方。
 
 内容は静岡とほぼ同じ。それから新曲の「あなたの風になりたい」。  
 僕の目が輝いたのは「竹田の子守唄」に入る前に、伝承歌の話題から地元神奈川の伝承歌でも歌いましょか、と「いかつり唄」を披露した時だ。久しぶりに生で聴いて感激した。

 湘南地方の伝承歌である「いかつり唄」は赤い鳥のラストアルバム「書簡集」に収録されているが、僕が初めて聴いたのは紙ふうせんのファーストアルバム「またふたりになったね」だった。後藤さんの声はどちらかというと繊細、いわゆる男っぽいというものではないが、「いかつり唄」を歌い上げる声にはまさに男を感じ、惚れ惚れしてしまう。ギターとベースだけのシンプルな編成にもかかわらず、その音は非常に深みを醸し出していた。
 その後、「書簡集」を購入して赤い鳥バージョンの「いかつり唄」を聴くことになるのだが、こちらもエンディングの平山さんと山本(新居)さんのコーラスが幻想的な世界を作りだしていて気に入っている。

 ふたつを比較した場合、紙ふうせんバージョンは奥行き感、暖かさを、赤い鳥は硬質な美しさを感じる。また紙ふうせんの場合は聴いていて歌の世界そのもの、いか釣り漁師の姿、海や港が頭に浮かぶのに、赤い鳥ではなぜか都会の、たとえば銀座通りの夕焼けにそまった人ごみをロングで捉えた風景がよぎるのが不思議。まったく個人的なイメージなのだが。
 
 紙ふうせんのデビューシングルも「いかつり唄」だった。こちらは平山さんがヴォーカルをとっている。
 当時「いかつり唄」はいろいろなアーティストが取り上げていた。もう名前も忘れてしまったが男性3人組のフォークグループがシングルをだしていたし、ダ・カーポも「いか採りの唄」のタイトルでレパートリーにしている。NHK「みんなのうた」では五木ひろしが歌っていた。

     ◇

2003/02/02

 「サーカス'85 第88回例会 赤い鳥から紙ふうせんへの軌跡」(テアトロ・スンガリー青山)

 翌日は青山のロシア料理レストラン〈テアトロ・スンガリー青山〉のライブ。  
 カメラマンの市原基さんが主催する「サーカス'85」という例会があり、毎回さまざまな講師を招いて勉強会を行っている。
 今回は市原さんの友人紙ふうせんのふたりを招いて赤い鳥時代から現在までの活動について歌を交えて語ってもらうという趣旨なのである。勉強会(ライブ)のあと食事をしながら各人が語り合う。

 いつもより女性の参加者が多く、シェフがメニューで悩んでいると、前日後藤さんにうかがった。男だとアルコールさえあればあとは何でもいいというところがありますからね。女性だとそうはいかない。  
 
 むろん会員制なのだが、講師の紹介という形で東京地区在住のFCの人たちが集えたというわけ。特別(臨時)枠としては紙ふうせんの友人、知人の方々も顔を揃えていた。NHK「みんなのうた」で「赤い花白い花」を歌ったビッキーズのふたりが来ていたのには驚いた。

 ステージは基本的には前日と同じ進行。まあそれは仕方ない。このライブでも僕が期待したのはふたりのおしゃべりだった。何たってテーマは「赤い鳥から紙ふうせんへの軌跡」なんだから。

 特筆すべきなのは「竹田の子守唄」の前に後藤さんが「五木の子守唄」を歌ったこと。伴奏なしのほんのさわりだけだったが、それでもジンときた。歌詞の意味なんて よくわかってはいないのだけど。
 
 赤い鳥が結成される前、〈赤い屋根の家コンサート〉では後藤さんと平山さんが一緒にステージに立って歌っていたのだが、そのときのレパートリーはほとんど伝承歌だった。そんな話をした後に「五木の子守唄」でも歌ってみましょかと言う。真っ先に拍手をしたのはいうまでもない。

 引佐の時は「竹田の子守唄」の元歌、平塚では「いかつり唄」。伝承歌を続けることで「竹田の子守唄」がより引き立つと思うのは僕だけだろうか。
 ステージの中で伝承歌コーナーみたいなものを作って「竹田の子守唄」とともに2、3曲披露してもらいたいものだ。

 息のあった会話をはさみながら楽しくステージが進む。
 ラストが後藤さんらしかった。最後の曲の紹介時、次にアンコール曲も用意しているけれど、一度ステージを降りて「アンコール!」の声で再登場するのは(次にディナーが控えているし)時間の無駄、だから続けて歌いますと言うのだ。アンコールの「紙風船」ではビッキーズのふたりをステージに上げて一緒に歌う粋なはからい。ふたりの反応からすると後藤さんのアドリブなのだろう。

 昨日、今日と、イベント(会)の冊子とともに19日にリリースされる「赤い鳥コンプリート・コレクション」のチラシが配布された。LPはもちろん、復刻版のCDもすべて持っているが、CD化されなかったアルバム「スタジオライブ」、「竹田の子守唄」、「ミリオンピープル」が網羅されていて大いに楽しみにしている。
 特に、プレーヤーがなくてLPがあっても聴くことができない「スタジオライブ」と「ミリオンピープル」(カセットテープにもダビングしていない)にわくわくしている。
 というのは「もうっこ」を聴きたくてたまらないのだ。

 紙ふうせんになってからステージで「もうっこ」を歌うことがあったかどうか知らない。パーカッションを効かせた「もうっこ」を一度生で聴いてみたい! 
 後藤さん、ぜひお願いします。




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転載:「後藤悦治郎ソロライブ at JAZZ・ON TOP」
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プロフィール

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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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