続けて〈転載:紙ふうせんライブレポ〉第3弾!
 「うたあふれるままに」は画期的なコンサートだったが、その前の、90年代も紙ふうせんは独自のクリスマスコンサートを定期的に実施していたのである。
 宿泊付きというのが関東のファンにはありがたかった。ただそれがネックになって関西のFCメンバーは……。
 Wさんは皆勤賞でした。

          * * *

2002/12/07

 「紙ふうせん クリスマスコンサート in 六甲オリエンタルホテル」  

 ディナーショーというものがある。僕はまったく興味がない。
 ホテルで食事してライブを観る。それだけでどうして何万もかかるのか。料金が歌手にとってのステイタスになる。五木ひろしなんて1回5万円。信じられない。  

 90年代になって紙ふうせんが六甲オリエンタルホテルでコンサートを開始した(第1回は、男女2名を加えたTSU-BA-SAとして、2回めから紙ふうせん)。  
 料金は3万5千円。ディナーショーではない。あくまでもクリスマスコンサート。宿泊込みというのがはるばる関東から行く者にはうれしい(交通費がかかるけど)。12月、第2週の金曜、土曜日の2日間2回のコンサートだった。

 プログラムが凝っていた。まず夕方、3階のテラスレストランで〈ウェルカムドリンクパーティー〉。1時間ほどして風の教会(デザインは安藤忠雄氏)に移動する。ここでチャペルコンサートが開かれるのだ。初回はアカペラだった。2年めからは後藤さんのギター、その次には浦野さんのウッドベースが入った。「時の流れ」には感激したなァ。
 宴会場でブッフェ形式のディナーを満喫した後、テラスレストラン隣のジンギスカンレストラン「グランデール」でメインのコンサートになるという趣向。

 レストラン内では通常の椅子やテーブルを片付けられ、パイプ椅子が人数分並べられる。会場内はかなり冷えていて、昔ながらの石油ストーブで暖をとるのもクリスマスの雰囲気を盛り上げた。
 ライブが最高潮に達したところでカーテンを開けると眼下には神戸の百万ドルの夜景が広がるというオツな演出も楽しめた。
 ホテルの施設をフルに活用した、ロケーション最高のこのコンサートは、7回連続で開催された。家の事情で2回ばかり欠席したが、12月には欠かせない行事になった。帰りの新幹線に乗って、静岡を過ぎるころになると「ああ、今年ももう終わりなのか」としんみりしたものだ。

 そんなクリスマスコンサートが復活した。1千円アップした3万6千円。
 いつもの仲間たちと東京駅で落ち合って、新幹線で新大阪へ。新大阪からJRで六甲道、そこからホテルの送迎バスに揺られて六甲オリエンタルホテルに到着というもういつものルート。

 阪神淡路大震災の後、いたるところが更地になっていたが、今はほとんど新しい家が建っていた。六甲道に着いたとき雨が降っていた。六甲山も霧に包まれていた。今夜は夜景が楽しめないのかと心配したが、夜になるとすっきり晴れた。一時、その輝きも半分になった夜景も、震災前のそれに戻っていた。心が和んだ。

 今回は7日(土)1回だけの開催である。翌日は島根でコンサートがあるため、進行にちょっとあわただしいところもあったが、個人的には満足した。
 まずチャペルコンサート。サポートがギターのすぎたじゅんいち氏とヴァイオリンの長野昭子さん。そう秋のリサイタルでその音色に感激したヴァイオリンの長野さんが引き続き今回も参加しているのである。

  日本/竹田の子守歌/紙風船/花はどこへ行った

 後藤さんが20歳のときに初めて作った歌「日本」の披露があった。日本の四季を歌ったものだ。聴衆を二組に分け、メロディとハーモニーを担当させて「紙風船」を合唱したのが印象深い。  

 メイン会場ではアンコール入れて16曲が演奏された。  
 ラストで熱唱されることが多かった「2001年アクエリアス」をオープニングに持ってきた。

  2001年アクエリアス/霧に濡れても/まつり/ささぶね
  街を走りぬけて/ホーハイホー/So matching love/明日に架ける橋
  あなたの風になりたい/青空と海/虹
  翼をください/ルート43/船が帰ってくる/冬が来る前に
  アンコール:Merry Cristmas

 ヴァイオリンのソロから入る「まつり」に感激した。赤い鳥時代にはそれほど思い入れがなかったこの曲、この5、6年メロディが頭の中を駆けめぐって仕方ない。
 以前、台風の影響で新大阪行きの新幹線が止まり、秋のコンサートの会場に到着したのがラスト30分ということがあった。このとき、オープニングから数曲が後藤さんのギターと浦野さんのウッドベースのみというシンプルかつアコースティックな編成で、その中に「まつり」があったと聞かされてわが身の不幸を嘆いた。
 しかし今宵「まつり」が聴けたことで、あの時の無念さも解消された。ハプニングで2度演奏されたことも、逆に感動ものだった。

 コンサートが終わっても、六甲の夜は終わらない。いや、このクリスマスコンサートの醍醐味はここから始まるのだ。
 最上階(6階)にあるバーから見る夜景は最高。カップルにとってはたまらないだろう。
 実はこのバー「モンソワール」はそれほど広くないので、行くと必ず満席という状態。その隣のスカイレストラン「ボワール」での酒盛りとなる。そこにスタッフの打ち上げパーティーから抜けて後藤さんと平山さんが顔を見せてくれるのだ。いろいろおしゃべりができるのがうれしい。  
 こうして11時を過ぎて、お店も閉店、お開きになる。  
 実は個人的には〈お楽しみはこれから〉なのだが、それはまた次の機会に。




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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