すいません、ここんとこムキになって映画レビューをアップしておりました。
 「赤い鳥・紙ふうせんアマチュアコピーバンド大会」ルポの#2を書かなければならないことは百も承知、二百も合点なのですが。

 昨日はTOHOシネマズ・シャンテで「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」を観た。14日はTOHOシネマズのサービスデーなので19時45分の回は満席。
 この映画、今月24日の「シネマdeりんりん」で語り合うことになっている。先月(3月)はダスティン・ホフマン主演の「卒業」だった。前回が旧作だったからだろう、今回は最新作ということでアカデミー賞でも話題になった「バードマン ……」が選ばれた。
 とにかく、ストーリーやカメラワーク等々、観終わったらあれこれ話したくなる映画である。4月のシネりんの課題映画にしたのはグッドアイディアだと思う。

 本日は偶数月15日、北澤八幡神社の「談四楼独演会」の日。
 今、帰ってきた。

 「コピーバンド大会」ルポ#2は明日以降ということで、久しぶりに〈転載:紙ふうせんライブレポ〉第2弾をば。

          * * *

2002/10/12

 「うたあふれるままに 紙ふうせん コンサート2002」(大阪サンケイホール)

 今年は43歳がキーワードなのか。一介のサラリーマンでノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏、懲りずに3度目の結婚をする某人気ミュージシャン、そして10月1日に施行された「身体障害者補助犬法」制定に貢献した木村佳友氏(と介助犬シンシア)。そろって皆43歳なのである。  
 
 もちろん単なる偶然なのはよくわかっている。43歳にこだわっているのは個人的な理由による。3日後に僕も43歳になってしまうからだ。  
 木村佳友氏は事故のため首から下が動かなくなってしまい、車椅子の生活をよぎなくされている。木村さんには自分の手足となってくれる介助犬シンシアがいて、日常生活を送っているわけだが、この介助犬、盲導犬ほど認知されておらず、乗り物や公共施設に同伴できないことがままあったという。そこで介助犬への理解を広める活動をはじめ、5月に成立した「身体障害者補助犬法」に大きく貢献した(施行は10月1日)。

 介助犬シンシアの活躍が毎日新聞に連載され、心打たれた紙ふうせんのふたりが「身体障害者補助犬法」のテーマソングともいうべき歌2曲(「補助犬トリオ」「あなたの風になりたい」)を作り、そのお披露目が紙ふうせん恒例の秋のコンサート内で行われた。  

 画期的なコンサートだった。木村氏をはじめ、身体、視覚、聴覚障害者が集った。もちろん介助犬、盲導犬、聴導犬を連れて、である。犬たちが会場に入る姿は壮観だった。
 会場上手ステージ前に設置されたスクリーンに歌詞を投影するOHP、舞台上で通訳する手話のボランティア、音を体感させるためのボディソニックは東京から運ばれたという。
 準備が大変だったろう。裏方スタッフの苦労がしのばれる。    

 大阪に着いてホテルにチェックインした後、現地のFCの方たちに会い、まっ先に耳に入ってきたのは後藤さんがマムシに噛まれたというショッキングなニュースだった。「竹田の子守唄」のバックに流す映像を撮影しに京都の山に入った際に噛まれたらしい。すぐに病院に運ばれ1日入院、大事にいたらなかった。問題があったらコンサートなんて開催されないだろうし。
 
 一安心した僕は「竹田の子守唄」のバックに流す映像に反応していた。歌詞も原曲から何番か取り入れられ、いつものバージョンより長くなるという。映像と歌が組み合わさってどのような効果を発揮するのか? 期待のボルテージは一気に上昇した。

  夕陽よ沈まないで/ほ・ろ・ほ・ろ/雪の降る夜は/風の翼に/しずくの子  

 オープニングはアコースティックギター(後藤さん)、ピアノ(今出さん)、ヴァイオリン(長野昭子さん)、ウッドベース(浦野さん)のシンプルな編成。素朴な、しかし深みのある音とともに平山さんのはっきりとした声が会場内に響き渡る。

 ステージ中央のバックには小さなスクリーンが設置されていた。
 照明は赤い鳥時代、後藤さんの信頼が厚かった佐野一郎太氏。一昨年の25周年記念コンサートからまた担当するようになった。昨年6月のドラマシティのリサイタル同様、佐野氏がどんな仕掛けをして、歌の世界を広げるのか。それもまた楽しみなのだ。  
 歌にあわせてイメージ映像がスクリーンに流れる。   
 
 久しぶりにステージに登場した浦野直さん(「冬が来る前に」の作曲者)が弾くウッドベースの低音が内臓に響く。  
 ヴァイオリンの音に魅了された。長野昭子氏は確か2回めのクリスマスコンサートでもヴァイオリンを弾いていたのだが、この時は僕の席の位置が悪かったのか、ほとんど音が聞こえなかった。今回は最初から最後までくぎづけになった。

  木の舟/風がかわるとき/みすずさん/あいたいよ/WowWow  

 5曲歌い終えると、暗幕が左右に開いて、スクリーンがスタンダードからシネスコサイズに拡大した。同時に暗幕の陰に控えていたエレキギター(西口さん!)、キーボード、ドラムスが登場する仕組み。おもしろい演出だ。浦野さんはウッドベースからエレキベースの位置に移動。コーラス(&ギター)が加わる。パーカッションを除くバックミージシャンが揃った。
 
 紙ふうせんのバックは一流ぞろいだ。個人のプレイを観て、聴いているだけでも心がはずむ。  
 次回のアルバム用なのか、新曲が続けて発表された。デビュー当時から一時期まで紙ふうせんの曲はほとんど後藤さんが手がけてきた。この数年、平山さんの曲が増えている。今回も出来た曲が7つ、そのうち後藤さんは3曲、平山さんは4曲、「負けた……」とは後藤さんの弁。

  竹田の子守唄  

 バックミュージシャンがいったん袖にはけ、ステージに後藤さんと平山さんが残る。バックは浦野さんのベースのみ。デビュー当時の紙ふうせんのステージってこんな感じだったのだろうか。  
 歌詞が増えた「竹田の子守唄」はまるで組曲のようだった。スクリーンには歌にあわせて味のある筆文字で書かれた歌詞が左から右に流れる。言葉の意味をかみしめたふたりの声がしっかりこちらの心に届く。間奏では京都の農村地帯の風景(モノクロ)が映し出された。  
 圧倒された。  
〈私のベスト3は、ボブ・ディラン「風に吹かれて」、ジョン・レノン「イマジン」、紙ふうせん「竹田の子守唄」〉  
 と平山さんがエッセイに書く気持ちがよくわかる。32年歌いつづけている自信がうかがえる。

  CM替え歌メドレー
  街を走り抜けて/虹/ホーハイホー

 後藤さんの一人舞台で、懐かしのCMを替え歌にして客席を笑わせた後、衣装を着替えた平山さんが再登場。パーカッションを含めたバックも勢揃い。第2部開始。
 OHPに映し出される歌詞が紙ふうせんらしく、いかにも手作りというところがいい。友人のイラストレーターえとうまさゆき氏が手がけたそれは、簡素なイラストも加わってほのぼのした雰囲気を醸し出す。
 昨年リリースされたアルバム「青空と海」に収録されている「虹」など、後藤さんの曲紹介を聴くとよりいっそうその世界を感受することができる。後藤さん流の米国同時多発テロ、アフガン爆撃に対する静かなメッセージなのである。

  補助犬トリオ/あなたの風になりたい
  青空と海/霧にぬれても/Route43/翼をください/船が帰ってくる
  冬が来る前に/紙風船  

 「身体障害者補助犬法」サポートソング2曲が紹介される。スクリーンには会場の通路に寝そべるシンシアが映しだされて、楽しいひと時。  
 そんな気持ちをぐっと引き締めるのが続く「青空と海」だ。えひめ丸事故の犠牲者への鎮魂歌。平山さんの声量を最大限に生かした歌で、生で聴くたびに目頭が熱くなってしまう。  

 紙ふうせんのライブを聴くようになって十余年(それまではレコードとラジオ、テレビで追いかけていた)、必ず歌うのがヒット曲「冬が来る前に」と「街を走りぬけて」、それに赤い鳥時代から歌いつづけている「竹田の子守唄、「翼をください」。

 この間、赤い鳥のライブ模様が映っているということで某番組を録画したテープを見せてもらった。「翼をください」を特集した内容なのだが、番組内でとんでもないことが言われて怒り心頭になった。
 赤い鳥解散後、「翼をください」は歌い手をなくしたとのナレーション。そんなことはない。「翼をください」はしっかり紙ふうせんが歌いつづけています。番組スタッフは何考えているのだろうか。たぶん〈虹の翼2002〉をフィーチャーした、というかその活動のPRを目的にしたからだろうが、ウソはいけない。ウソは!

 最近すっかりエンディングの曲になった「船が帰ってくる」、そしてアンコールではなくカーテンコールで登場して、お馴染みの「冬が来る前に」、そして「紙風船」の合唱で幕を閉じた。

 昨年はオーケストラをバックにした新機軸のリサイタルを開催して、興奮させられた。今年もさまざまな趣向を凝らしたコンサートだった。
 あとどのくらい紙ふうせんのコンサートが開催されつづけるのか。後藤さんはとりあえず60才と言っていた。あと5年か。
 43歳。僕もそろそろ本当の「赤い鳥物語」の取材に取り組みたい。




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転載:「紙ふうせん クリスマスコンサート in 六甲オリエンタルホテル」
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プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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