2015/03/01

 「時代劇ベスト100」(春日太一/光文社新書)

 ベスト100の内訳は「これだけは押さえておきたい40本」「隠れた名作40本」「個人的な趣味で選んだ20本」。
 「七人の侍」の解説に、「決戦の日は雨だった」というナレーションがあって、クライマックスが始まると書いているが、ナレーションがあるのは予告編だけで、本編にはない。
 マスターテープが残っていないといわれるビデオ収録の時代劇が取り上げられている。「天下御免」のビデオをどこで観たのか。


2015/03/04

 「ボロを着た王子様」(村崎太郎/ポプラ社)

 素直に読めた。奥さんの手による私小説なんかより、真っ先にこういう自伝を書けばよかったのだ。といっても「太郎が恋をする頃には……」があったからこそ、本書執筆につながったのだろうから、一概に否定できないのだが。


2015/03/13

 「64」(横山秀夫/文藝春秋)

 映画化されると知ってあわてて借りてきた。
 書名の〈64〉とは未解決の女児誘拐殺人事件事件のことで、D警察ではこの事件を符丁を使って〈ロクヨン〉と呼ぶ。昭和64年に発生した事件だから。
 基本プロットだけを抜き出すと、劇場型捜査で話題を呼んだ「犯人に告ぐ」(雫井脩介/双葉社)によく似ている。しかし、大詰めでわかる犯人探索の方法、あんなことが本当に可能なのだろうか?
 
 映画で主人公を演じるのは佐藤浩市。本人自身原作を読んで出演を熱望していたという。小説を読むとわかるが本来ならミスキャストなのだ。いわゆる二枚目だと、家出した一人娘の悩みや葛藤は何なのだということになってしまう。まあ、そこらへんは映画化にあたってアレンジされるのだろう。

 映画は2部作として来年(16年)公開されるが、その前にこの4月からNHKでドラマ化(全5回)される。主演はピエール瀧。こちらの方がらしいかもしれない。本来、40代のころの六平直政や渡辺哲みたいな俳優こそがふさわしいのだから。


2015/03/15

 「大人の落語評論」(稲田和浩/彩流社)

 ネットは落語評論(レビュー)であふれている。こんなに落語ファンがいるのかと驚いたものだ。2ちゃんねるでは、落語評論する人たちを攻撃するスレッドがあるのだから呆れてしまう。


2015/03/20

 「カウントダウン」(佐々木譲/毎日新聞社)

 警察小説の一つだと思って読み始めたら、財政破綻した北海道の都市を舞台に、6選を狙う市長と、市長のでたらめな政策をゆるすまじと立候補する若手市議との選挙戦を描いたものだった。この都市は夕張をモデルにしているのだろうが、小説の中には夕張市及び関係者も登場する。
 小林信彦「夢の砦」の主人公は小林信彦、勤めている会社は宝石社、編集している雑誌はヒッチコックマガジンをモデルにしているが、小説の中にはヒッチコックマガジンの編集長として中原弓彦もでてくるようなもの。小説世界のリアリティを生むやり方だ。


2015/03/22

 「橋はかかる」(村崎太郎・栗原美和子/ポプラ社)

 「太郎が恋をする頃には……」がホップだとすれば、「ボロを着た王子様」はステップ、本書はジャンプということになる。


2015/03/25

 「我が愛と青春のたけし軍団」(ガダルカナルタカ・たけし軍団/双葉社)

 書名に偽りなし。
 フライデー襲撃事件とたけしのバイク事故の顛末、詳細を知りたくて読んだ。襲撃事件でわからなかったのは、なぜたけしは軍団を連れてフライデー編集部を襲ったのかということ。最初は話し合いのつもりだったのだ。それが、ボタンのかけちがいで暴力沙汰になり、あのような報道になってしまった。
 バイク事故については、本人も言っているように自殺・のようなものだったと思う。以前、どこかに書いたが、本当ならあれでたけしは死んでいた。


2015/03/27

 「つなわたり」(小林信彦/文藝春秋)

 「ビートルズの優しい夜」や「袋小路の休日」の短編群につらなる世界を、70年代前半(小林信彦が立て続けに芥川賞の候補になった、「仁義なき戦い」が大ヒットした等)の風俗、料理のうんちく、フェティシズムをちりばめて構築している。
 雑誌掲載時より面白く(興味深く)読めたが、前作「流される」のような読了後の充実感はなかった。あっけないエンディングに「これで終わりなの?」。性体験に臆病な四十男に感情移入できなかったからだと思う。

 主人公の友人であるシナリオライターって、モデルは山崎忠昭で、TVアニメは「ムーミン」、映画の方は「長靴をはいた猫」がイメージされているのだろう。




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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