TOKYO MX「円谷劇場」で「ネオ・ウルトラQ」が放送された。すいぶん遅くなってしまったが、感想を述べておきたい。

 「ウルトラQ」は、昭和41年1月から6月にかけてTBS系で毎週夜7時から放映された空想特撮シリーズ(全28話)である。主人公トリオが怪現象に遭遇する顛末を描く1話完結(30分)のシリーズで、怪現象のほとんどが怪獣出現ということもあり、当時子どもたちの間で大人気となった。
 僕自身の思い出を記せば、リアルタイムでは第1話「ゴメスを倒せ!」が観られなかった。「ウルトラQ」なんていう怪獣が登場する番組が始まることを知らなかったからだ。放送の翌日、保育園(1月は年長組だった。4月から小学生になる)で友だちから聞いたのだろう、次の日曜日に第2話「五郎とゴロー」を視聴した僕は完全にその世界にはまってしまった。今でもロープウェイに乗ると、目の前に巨大猿が出現する光景を思い浮かべてしまうほどだ。とにかくその後の人生において「ウルトラQ」はとんでもない影響を与えているといっていい。

 1990年代以降、「ウルトラQ」のタイトルを冠する作品がいくつか制作されている。

 まず1990年に公開された「ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説」が挙げられる。円谷プロを退社した円谷家の三男氏が設立した円谷映像が制作した映画である。

 もともとは金子修介監督の企画による3話オムニバスの作品だった。アメリカ映画「トワイライトゾーン」(TVシリーズ「ミステリーゾーン」の映画化)を意識したと思われ、本家では複数の監督がそれぞれのエピソードを担当しているのに対して、「ウルトラQ THE MOVIE」は金子監督が3つのエピソードをすべて演出するというものだった(脚本はじんのひろあき)。
 各エピソードは、海底を舞台にしたサルベージもの、精神世界もの、怪獣が登場する地球侵略ものとさまざまなジャンルを扱っていてTVシリーズを彷彿とさせるものだった。
 ところが、怪獣の版権の問題で、この企画は頓挫、脚本・佐々木守、監督・実相寺昭雄という第一期ウルトラシリーズのゴールデンコンビによる別種の「ウルトラQザ・ムービー」として映画化された。80年代にATG作品として企画された「元祖ウルトラマン 怪獣聖書」のプロットに浦島伝説、羽衣伝説を加味したストーリーになっており、タイトルに「星の伝説」が追加された。

 公開された作品は往年のウルトラQファンを困惑させる出来だった。
 この作品には、(仕事として)少しばかりで関わっており、公開前に試写を観る機会があった。
 佐々木・実相寺コンビということもあり、個人的には「怪奇大作戦/京都買います」的な世界を予想し、また期待もしていたのだが、良かったのはスタイリッシュな映像だけで、ストーリーがまったく面白くなかった。怪獣が登場するとはいえ完全に「ウルトラQ」の世界を逸脱していた。オリジナルの特撮映画「星の伝説」とした方が良かったのかもしれない。
 コアな実相寺昭雄ファンで、映画はかつてのTV番組とは違ったテイストになると思っていた僕でさえ、期待はずれな作品だと思ったのだから、ウルトラQ世界を求めたファンに受け入れられるわけがない。
 興行は惨敗だった。

 2000年代になって、円谷プロは「ウルトラQ」関連の番組をラジオとTVで手掛けることになる。
 2003年から04年にかけての半年間、「ウルトラQ倶楽部」という番組がTBSラジオで放送された。ウルトラQの新作ラジオドラマである。オリジナルシリーズで活躍したトリオ、佐原健二、西條康彦、桜井浩子の3人がかつての役に扮してレギュラー出演していた。スタッフ(脚本・演出)は、第一期ウルトラシリーズのベテランたち(上原昭三、千束北男、実相寺昭雄等)。
 第1話、第2話あたりは聴いたと思う。面白くなかった(という印象しか覚えていない)。以降、聴くのをやめてしまった(だと思う)。ゆえに、このラジオドラマに対して多くを語れない。

 この項続く




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新井啓介
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まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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