2015/04/26

 「本多猪四郎 無冠の巨匠」(切通理作/洋泉社)

 別項に記す。


2015/04/28

 「わたしの手塚治虫体験(1)」(真崎守/JICC出版局)

 高校時代に真崎守の漫画(劇画?)に夢中になった。ブロンズ社からでていた本を何冊か購入している。タイトルは忘れたが、見開きまるまるベタで塗りつぶすという驚愕技巧があった。真っ暗な部屋の描写だったように思う。高校時代は〈青春〉に拘っていたので、真崎守の作品はまさにストライクゾーンだったのだ。
 自分史と手塚マンガ評論を合体させているところがミソで、本人は興味なければ自分史部分は飛ばしていいと書いているが、個人的にはこちらの方が興味深かった。手塚治虫、あるいは手塚マンガと真崎守がどんな時期にどのようにして関わったのか、ということが理解できるからだろう。

 あとがきに〈書くことが多すぎて2冊に分けることになった〉というようなことが書かれていた。だから書名に(1)と入っているのだが、結局(2)は上梓されなかったらしい。理由はわからない。


2015/04/30

 「戦後ヒーローの肖像」(佐々木守/岩波書店)

 〈『鐘の鳴る丘』から『ウルトラマン』へ〉という副題がついている。
 戦後から現代までのTVの子ども番組の変遷について綴った本で、体験的「子ども番組」史と紹介されている。

 佐々木守は80年代でシナリオライターとして才能を枯渇させたのでは思っている。実相寺昭雄の小説「星の林に月の舟」をドラマ化した「ウルトラマンを作った男たち」を観たとき、本当に佐々木守が書いたのだろうかと疑ってしまったほど。原作の面白さをまったく生かしていなかった。市川森一の「私が愛したウルトラセブン」と比べてみれば一目瞭然である。

 「ウルトラQザ・ムービー 星の伝説」にも才気が感じられなかった。元になった「元祖ウルトラマン 怪獣聖書」を読んだことがあるが、映画化されない理由がわかった気がした。個人のイデオロギーが色濃く出すぎてウルトラマンの世界を逸脱していたのだ。TVシリーズは、異色作ではあるが物語として十分面白かった。「アイアンキング」も同じだろう。「星の伝説」ではそうした面白さが欠如していた。
 90年代、TV「知っているつもり」のクレジットで〈構成:佐々木守〉を見るたび、なんとなく寂しかった。

 大島渚が設立した創造社のメンバーだったので、著者と子ども番組の関係について誤解していたところがある。
 TBSディレクターの実相寺昭雄と知遇を得て、彼が演出を担当する「ウルトラマン」エピソードの脚本を書くことになって、そこから自分の意思とは関係なく子ども番組(実写&アニメ)の世界に踏み入れていったという印象があったのだが、もともと子ども文化に興味があって若いころはその手の団体(児童文学者協会、教育映画作家協会)に所属していたのだ。

 思えば「ウルトラマン」から始まって、「ウルトラセブン」「怪奇大作戦」といった円谷プロの特撮番組以外にも「コメットさん」「おくさまは18歳」「お荷物小荷物」と佐々木守脚本作品にはずいぶんとお世話になった。

 脱ドラマといわれた「お荷物小荷物」は内容は忘れてしまったが面白かったことだけ覚えている。
 マンガ「男どアホウ甲子園」でも原作を担当していて驚いたことがある。TV「柔道一直線」も書いていて、さぞスポーツに造詣が深いと思いきや、まったくのスポーツ音痴、「男どアホウ甲子園」ではあるとき水島新司に「甲子園が大阪にあると思っていませんか?」と言われて、そうだと答えて呆れられたという。
 「柔道一直線」は、前番組「忍者武芸帳」が低視聴率のため1クールで中止となり、局プロデューサーから原作コミックを渡され、翌日までにシナリオを書けと注文されたのが出会いだとか。最初は穴埋めだったのだ。それがいつしか人気番組となって長期の放送となった。このころは柔道部に入部する中学生が多かったのではないか。

 「ウルトラセブン」の欠番、第12話「遊星から愛をこめて」について触れている。円谷プロが欠番扱いしたことに対しては納得しているものの、作品を観ずに騒ぎ、そのあげくに封印されてしまったことに怒っていた。

 もっとラジカルな内容を予想していたのだが、いたって穏やかだった。著者の個人史としても興味深いことばかりだ。
 「略称・連続射殺魔」が観たくなった。この映画の本当のタイトルは「去年の秋 四つの都市で同じ拳銃を使った四つの殺人事件があった 今年の春 十九歳の少年が逮捕された 彼は連続射殺魔とよばれた」と長い。だから略称なのである。初めて知った。


 
 
 
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新井啓介
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まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町のブックカフェ二十世紀で働いています。さまざまなイベントを企画、開催していますので、興味あれば一度覗いてみてください。

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