2日(火)はサンデー毎日の発売日。
 「お前はもう死んでいる!」雑誌にもかかわらず、毎週書店で手に取るのは中野翠のコラム「満月雑記帳」をチェックするためだ。本当にチェックだけで、何が書かれているかを確認しておしまい。全部読まない。読むのは本にまとまってからにしている。

 小林信彦の場合、毎週木曜日の文春発売日には必ず「本音を申せば」を読むし、単行本になったら購入する。同じファンでも対応はずいぶん違う。まあ、中野翠の本はずっと図書館で借りて読んでいて、ファンといえるかどうかあやしいのだけれど。
 ファンかどうかあやしいと思う理由はもうひとつある。コラムの内容に対して、共感するとともにいまだに激しく反発しているからだ。なにげなくでてくる中野翠フレーズにイラつくこともたびたびある。

 もちろん、70年代、キネマ旬報の「小林信彦のコラム」を愛読していたとはいえ、受け入れないこともあった。反発もした。が、いつしかそういうことがなくなった。価値観はほぼ共有していると思っている。だからこそファンを続けられるのだろうし。
 いや、今でも「?」と思うことはある。最近「本音を申せば」で何度となくスピルバーグ批判をしているが、僕自身はスピルバーグ監督の演出手腕を高く評価している。ただ嫌う理由はわかるような気がする。昔、小沢一郎を批判していたにもかかわらず評価するようになったのは武田記者や上杉隆の影響だろう。

 小林信彦への共感と反発が95:5だとすると、中野翠へのそれは70:30か65:35くらい。けっこう反発しているのである。

 今週号は「満月雑記帳」冒頭の書き出しにカチンときた。
 「ソフトバンクとauのコント風CMシリーズが、私は少しも面白いと思ったことがない、笑えない」旨を書いているのだ。別に中野翠が両CMを見て面白くなくても、笑えなくてもいい。しかし、それがあたかも正論のように書いてほしくない。一部の好事家だけが面白がっている事象に対して正義感ぶって否を唱える態度、CMを面白がる、CMを見て笑っている世間一般がおかしく、笑えない自分こそ正しいという考えが透けて見える文章に反発したのだ。

 実際のところ、ソフトバンクのCMは笑える。たとえば、お父さん(白犬)がお風呂に入って変な歌をうたっていると、お母さんが「近所迷惑!」と叫ぶCM。続くカットは無言のお父さん。この間が良い。お父さんがつぶやくバージョンもあるが、僕はだんぜん無言バージョンが秀逸だと思っている。
 最新作はauのCMをたぶんに意識した桃太郎編。市原悦子のおばあさんがで川で洗濯していると川上から大きな桃が流れてくる。対岸でそれを見ている白戸家のお母さんとお父さん(白犬)。市原おばあさんのスマホが鳴り出しておばあさんがでておしゃべりしている間に桃は通り過ぎて流れていってしまう。それを無言で見送るおばあさん。お母さん、お父さん、猿ときじ。やはり間がたまらない。さる、きじとお父さんのやりとりも見ものだ。

 今回の中野翠に、その昔、「マカロニほうれん荘」が面白くない! と主張した渋谷陽一を見る思いがした。団塊の世代はソフトバンクの白戸家シリーズについて面白くないと感じている人が多いのだろうか。




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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