紙ふうせん(赤い鳥)、落語(立川談四楼)ときた転載シリーズ、続くのは特撮だ。特撮の後はショーケンね。

          * * *

 第一期ウルトラシリーズ世代にとっては、第二期シリーズの「ウルトラマンA」の中盤以降、「ウルトラマンT」は悪夢であった。ゲスト出演するウルトラ兄弟へのリスペクトの無さに失望したのである。全然かっこよくないのだ。主人公であるエースなりタロウを引き立たせるためだけの脇役なのだ。造形にも問題があった。
 ゆえにウルトラ兄弟=ウルトラシリーズの堕落という認識になる。だから第二期ウルトラを嫌っていた者はウルトラマンティガがM78星雲出身ではない、新しいヒーローという設定に希望をつないだのだと思う。逆に第二期に思い入れがある者は、ウルトラシリーズ=ウルトラ兄弟だからそんなのウルトラマンではない! ということになる。
 スタッフが第一期ウルトラを夢中で観ていた同世代といことも、取っつきやすかったのかもしれない。

     ◇

1998/04/03

 「ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ」(新宿松竹)

 満足のいく出来だった。それは認めたい。
 しかし主要な対象が低年齢層の子どもたちとはいえ上映時間70分は短すぎるのではないか。
 それがクライマックスの首都決戦~ダイナの死(?)~ティガの復活~ダイナ&ティガ対敵の戦いと続く展開があまりに急テンポに進む結果になってしまったきらいがある。
 この部分は〈大人の観客〉としてもう少しきめの細かい描写で観たかった。
 あと20分あればダイナを失ったスーパーGUTSやTPCの隊員たち、その他避難したメトロポリスの人々の苦悩それにもめげずに立ち上がる勇気がもう少し奥行きのあるものになったのではないか。
 逆に言うとオープニングからダイナ対デスファイターまでは眼を瞠るような特撮のイメージとあいまって、話の展開がスリリングで実に爽快だった。
 プロメテウスがデスファイターに変身するシーンはCGとはいえ日本特撮のイメージがやっとアニメーションのそれに追いついたことを証明していてうれしくなる。
 ティガファンへのサービスでラスト近くに旧GUTSのメンバーが勢揃いするが、単なる同窓会的な扱いなら出演させる意味がない。
 とにかくウルトラマンシリーズの映画化作品でやっと映画と呼べるものが登場したことを素直に喜びたい。

     ◇

1998/08/28

 「ウルトラマンダイナ」(TBS)

 「ウルトラマンダイナ」が終わった。
 川崎監督の「僕たちの地球が見たい」「うたかたの空夢」以降、今ひとつといった感じのエピソードばかりで、ティガみたいな終盤の盛り上がりというのが(僕にとっては)なかったし、ティガ同様最終3部作の第1部があまりに急展開だったため、どうなることかと心配していたら、第2部が異様な盛り上がりを見せてくれた。

 最終話を観終わった今、寂しくて、切なくて、印象的なシーンを思い出すだけで目頭が熱くなってしまうのだけど、前向きな姿勢を失わないスーパーGUTSのメンバーたちの涙まじりの笑顔に夢に対する希望を感じてすがすがしい気分であることに間違いない。
 ティガの時以上に感動していると言っていい。
 第1話、第2話の前後編で提示したテーマをきっちりと完結してくれた。
 僕はあのラストをアスカの死ととらえていない。全く予想していなかったラストではあるが光の中を父と子が並んで飛行するシーンはある種のハッピーエンドとみる。あれはネオフロンティア時代にふさわしい人類の新たなる一歩なのだ。
 最終話で流れた涙は、だからアスカを失った悲しみではない。「宇宙戦艦ヤマト」が大嫌いな僕としては自己犠牲で涙(感動)を呼ばせる作劇なんて絶対に認めたくない。

 ティガに続く新ウルトラマンシリーズ第2弾として「ウルトラマンダイナ」が発表されたとき、 多くのティガファン同様、あまりいい印象を持たなかった。
 ティガの世界観を引き継ぎ7年後の世界が舞台で、特捜チームがGUTSからスーパーGUTSに変更、単純明快なストーリーを目指すという新聞発表で少々心配になった。今度は『ウルトラマンタロウ』的な内容になるなんていう業界噂話を聞くと暗澹たる気持ちになったもんだ。
 お願いだからティガの世界を壊さないでくれ!それが放映開始前の率直な感想だった。

 第1話でそれが杞憂であることがわかった。

 〈ネオフロンティア計画〉をキーワードに宇宙に進出する人類の活動を背景にしたスペースオペラ的な舞台設定。
 かつて宇宙に消えた名パイロットだった父親との父子鷹的要素をスパイスにした、前向きに生きることだけがとりえの主人公の成長物語。
 主人公と彼をチームにひっぱった先輩女隊員との賢姉愚弟的な友情(恋愛)物語。

 と、今までのウルトラマンシリーズにはない展開が予想され、すぐにダイナの世界にはまってしまったのだった。
 そのために初のシリーズ構成者を採用したのだとも思った。

 回が進むにつれて、期待は徐々に薄れていった。最初に提示したテーマ(人間ドラマ)がうまく展開していかないし、設定やエピソードのつながりに矛盾を感じた。
 とにかく文句言ったり、見直したりの1年間だったが、今になってダイナの世界にどっぷりつかっていた自分に気づいた。

 後番組として、継続した世界観という点で、何かにつけてティガと比較されることは、仕方ないとは言え、かわいそうな気もする。
 第1弾で放映されていたら、それなりに評価されていたに違いない。
 僕としては、

 せっかく最初に示したドラマ部分にシリーズを通してのまとまりがなかった(特にリョウとアスカの関係)
 TPCの組織がうまく描けなかった(なぜ基地の所在がダイブハンガーからグランドームに変更になったのか、GUTSからスーパーGUTSになったのか、新旧隊員の葛藤等)

 という不満はある。
 とはいえ、前作の世界観を引き継いだスタッフの意欲は多いに評価したい。
 タイトル通りのダイナミックな特撮もお見事。
 第2期ウルトラマンシリーズを凌駕していることは間違いない。

     ◇




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No title
24日18時から20時お届けで録画CD送りましたよ。
ジンギスカン さん
ありがとうございます。
こちらも準備しますので。
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プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町のブックカフェ二十世紀で働いています。さまざまなイベントを企画、開催していますので、興味あれば一度覗いてみてください。

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