今年のおもちゃショーで「サンダーバード」がCGで蘇ったことを知った。新番組は今秋からNHKで放送されるというので楽しみにしていた。
 一昨日の深夜、旧作がNHKで放送されたので、9月から新番組「サンダーバード ARE GO」が始まるのだと喜んで観ていたら、終わってからの告知ですでに第1話と第2話は放送されたことがわかった。15日と16日。知らんかったよ~。
 ということで、本日(22日)は、18時10分から第3話。
 スーパーマリオネットの旧作のあのテイストはCGと相性がいい。29日には旧作及び1&2話の総集編があるらしい。

 そういえば、11年前、アメリカで実写映画化されたのだった。で、思う。どうして2号のデザインはマイナーチェンジされるのか。今回も全体的に平べったくなっているんだよね。

     ◇

2004/08/15

 「サンダーバード」(日劇PLEX )  

 少年時代はウルトラマン等の日本製の特撮番組とともにイギリス製TVシリーズの「サンダーバード」にはまっていた。精密なミニチュアワークに心弾ませた。好きなメカはサンダーバード2号と4号、ジェットモグラ。特に2号はお気に入りでプラモデルをいくつも買ったものだ。しかし腹部のコンテナをチェンジする際にTV同様4本の足が伸縮するものはついに手に入れることができなかった。ほとんどのタイプは足がそのまま横に折り曲がるだけのもので、それが大いに不満だった。  
 「サンダーバード」については興味を「ウルトラマン」ほど現在まで引きずってはおらず、思い入れもそれほどではないものの、それでも実写映画化のニュースには歓喜した。
 ところが予告編第1弾の映像で一気に期待がしぼんでしまった。サンダーバード2号が変にマイナーチェンジされていたのだ。全面的に変更されているならまだ納得がいくのだが、全体のシルエットはそのままで細部がいじられていることが昔のファンとしては残念だった。  
 公開日が近づいてくるのに、それほど話題にならない。これはいったいどういうことだろう。決定的だったのは試写を観たという特撮好きな同僚の一言だった。
「いや~ホント、つまらない作品ですよ」  

 まったく期待せずに劇場に足を運んだ。お話はつまらなくても、せめてメカの本物ぶりをこの目で確認したかったのだ。TVシリーズのそれはどんなに精巧にできていたとしても所詮ミニチュアであることは歴然だった(当然だ、人形劇なんだから)。CGの威力で現代に蘇ったサンダーバードはそれなりに迫力あるのだろうと。

 オープニングのタイトルはオリジナルに敬意を表したのか、60年代を感じさせるイラスト風アニメ(「69」のタイトルバックとダブる)。出来そのものは素晴らしいのだが、TVシリーズの主題歌に乗せるのだったら、やはり実写(&VFX)で国際救助隊の活躍をみせるべきだろう。  
 タイトル後のエピソード(ロシア油田火災の救助)も前述のメカの本物ぶりもあって興奮もの。しかし後がいけない。何がいけないって主役であるはずの国際救助隊の活躍が全然描かれないのだ。コピーの〈次々と巻き起こる危機から人類を救うため、最新鋭のメカ≪サンダーバード≫で出動する"国際救助隊"の活躍を描く冒険活劇〉なんてどこにもない!  

 映画は悪役フット(ベン・キングスレー)の策略でピンチに陥った国際救助隊の面々(トレーシー一家)を、兄弟中まだ高校生だからとの理由で正式メンバーでない五男アランと仲間たちが機転をきかせて救うというもの。
 仲間たちはブレインズ博士の息子(映画オリジナルキャラクター)や料理番の娘ティンティン(TVシリーズのミンミン、でも子ども)、そしてペネロープと運転手のパーカー。見方を変えれば、「スパイキッズ」みたいな子どもたちが主役の冒険活劇で、それはそれで面白いものではある。あくまでもオリジナルを知らなければの話だが。  
 だいたい、敵にやられていいところもなく子どもに救われる国際救助隊の話を大きなスクリーンで観たいか?

 思えばTVシリーズは人形劇とはいえドラマが濃密だった。大人向けともいえるものだった。それは国際救助隊のメンバーの人物造形にもいえる。TVのそれはみな大人だった。理知的、沈着冷静、勇敢。だからこそ世界救助という活動をまかせられるに足る人物に感じられたのだ。それに比べて映画は皆若すぎる。父親からして若すぎる。日本語版でV6が吹き替えをする(それも父親までも)と聞いたときは、自分の耳を疑ったが、役者陣を見る限り妥当のキャスティングに思えた(鑑賞したのは字幕版だが)。

 少年心を揺さぶるメカニック描写、スリリングなドラマ展開。そこに国際救助隊メンバーの連携プレイが描かれてこそ「サンダーバード」の醍醐味があるのでないか。  
 往年のファンからするとメカニック描写のみ及第点(基地の全貌には快哉)、あとはもう……。
 いやそのメカも2号のほか、4号、ジェットモグラという僕が好きだったものがほとんどオリジナルのイメージを逸脱したデザインでがっかりだ。ほかのメカがほぼオリジナル通り(と思っているのは僕だけかも。あまり思い入れがないから些細な変更は気にならない)だというところから、もしかすると現代の科学というか工学、力学(?)に見合った設計ということなのか。まあ、確かにジェットモグラ的メカ(「ウルトラマン」のペルシダーとか、「ウルトラセブン」のマグマライザーとか)は実際にはありえないと聞いたことあるし。
 とにかく、オリジナル熱中世代には期待はずれに終わった作品であった。公開前に話題にならなかった要因がわかった次第。

 【追記】
 
 ブレインズに扮していた役者を見ながら、なぜか心にひっかかるものを感じてモヤモヤしていた。途中で気づいた。「ER」の主人公、グリーン先生(アンソニー・エドワーズ)だったのだ。髪があるんだもん、わからないよ。聞くところによると、「ER」の最新シリーズでついにグリーン先生降板だとか。それも脳腫瘍の悪化で死去。グリーン先生降板時が番組終了時だと思っていたのに。  
 TVシリーズではミンミンなのになぜ劇場版ではティンティンなのか。実はTV版も本当はティンティンだったのだ。日本語版で変更したらしい。

     ◇

 【追記の追記】

 昔はティンティンなんて表記(発音)はなかった。文字にすればチンチン。そりゃ変更になるわな。




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Author:kei
新井啓介
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まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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