1日(映画サービスデー)はユーロスペースで公開している「野火」を観るつもりでいた。川越の直行直帰の仕事が終わったのが17時30分過ぎ、JR川越駅に着いたのは18時。そのまま渋谷へ向かっても19時の最終回には間に合わないのは確実だから、さいたま新都心のMOVIXで「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」もしくは「テッド2」でも観ようかと計画変更したが、それも時間的(18時30分、18時50分)に叶わず映画鑑賞は諦めた。川越って遠いのね。

 昨日(もう一昨日だが)は、角川シネマ有楽町で「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」を観た。
 公開されたのは8月1日、なかなか時間がとれなかった。火曜、もしくは金曜日なら会員サービスで1,000円なのだが、本日(4日)は別の予定があるし、上映は今週で終了なので仕方ない。それでも1,300円だから。予想していた内容とは全然違った。エンディングロール(歌)でなぜか泣けてきた。

          * * *

 承前

 「ゼロファイター 大空戦」
 (脚本:関沢新一、斯波一絵 監督:森谷司郎 特技監督:円谷英二 主演:加山雄三、佐藤允)

 「日本沈没」の森谷司郎監督の監督デビュー作。
 某南島の基地を舞台にした若い戦闘機パイロットたちの青春群像といった趣きで完全に作品世界にのめり込んだ。この映画に限ってはカラーで観たかったという思いが強い。それほど瑞々しい印象なのだ。
 登場人物のキャラクターが良い。森谷監督の演出力に並々ならないものがあることがわかる。
 「日本沈没」が大ヒットしたのは、脚本(橋本忍)、特撮(中野昭慶)の力もあっただろうが、森谷監督の演出も影響していたのだと思う。もし84年版の「ゴジラ」でメガホンをとっていたら(当初森谷監督が予定されていたというが、病気のため新人監督が起用されたという経緯がある)、もう少しは面白い映画になったのではないか。同じ脚本だったとしても。
 初期に手がけた作品から青春映画を得意とする監督だと考えていた(小学6年のときに学校の体育館で「赤頭巾ちゃん気をつけて」を観賞している)。それが、「日本沈没」の大ヒットによって大作映画(「八甲田山」「聖職の碑」「動乱」等)へとシフトしていったのは本意ではなかったのではないかと。
 この映画を観てあながち間違いではなかったと思った。
 
 肝心の特撮のこと。
 戦艦(海上)の特撮は今でもそれなりに見られる出来なのに(人間ドラマから切り替わっても)、ゼロ戦の空中戦、発進や離陸といった特撮は少々恥ずかしい。太陽光の有無によるものだろう。海洋シーンは基本屋外の大プールで撮影する。対して飛行機の飛行シーンは屋内のスタジオだ。太陽光の下で撮影すると、同じミニチュア模型でも角度によってはリアルに見えるのである。


 「零戦燃ゆ」
 (脚本:笠原和夫 監督:舛田利雄 特技監督:川北紘一 主演:堤大二郎、橋爪淳、早見優)

 1980年代、シナリオライターの笠原和夫はやくざ映画から戦争映画にシフトしていた。東映の「二百三高地」「大日本帝国」「日本海大海戦 海ゆかば」という3部作のあと、同じ舛田監督とのコンビで東宝でゼロ戦ものに取り組んだ。東映作品の特撮は中野昭慶特技監督が担当していたが、東宝は川北特技監督起用した。出来は「セロファイター 大空戦」で感じたまま。
 若手俳優がいい味だしていた。
 主題歌と挿入歌を石原裕次郎が歌っている。いい歌とは思うが、映画に似合っているかというとそうではない。「二百三高地」のさだまさし「防人の詩」や「戦艦大和」の谷村新司「群青」の路線を狙っているのだろう。
 ゼロ戦の特撮は屋外でラジコン模型を飛ばしたシーンはいいが、スタジオの吊り撮影はいかにもミニチュアといった感じでいただけない。ゼロ戦のリアルな映像は「聯合艦隊司令官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-」まで待たなければならないのか。「永遠の0」の画期的VFXも「聯合艦隊司令官 山本五十六」があればこそ、だ。


 「大空のサムライ」
 (脚本:須崎勝弥 監督:丸山誠治 特技監督:川北紘一 主演:藤岡弘)

 東宝の作品なのに、なぜかDVDが他社から発売されている。なぜだろうと思ったら、オープニングクレジットに〈大観プロダクション〉とあった。聞いたことのない制作会社だ。調べてみたら、ねずみ講組織である「天下一家の会」の宗教法人だという。
 ねずみ講とは懐かしい。あまり大きな声ではいえないが、うちの親はねずみ講で儲けて軽トラック1台を購入している。僕が中学生のとき。親戚(僕にとっての叔父、叔母)を巻き込んでそりゃ大変な騒ぎだった。
 そんな話はどうでもいい。
 冒頭に原作者であり、映画の主人公(のモデル)である坂井三郎のインタビューが挿入されていてちょっと萎えた。藤岡弘との落差が……
 川北特技監督の劇場映画デビュー作。飛行シーンにラジコンを使って実際に空に飛ばしているところのみ目新しい。


 「竹取物語」
 (脚本:菊島隆三、石上三登志、日高真也、市川崑 監督:市川崑 特技監督:中野昭慶 主演:沢口靖子、三船敏郎、若尾文子) 

 この作品も公開時にパスしてしまい、以来観たことがなかった。市川崑監督なのに。ラストに登場する月から使者がもろ「未知との遭遇」のUFOというところ、それもシャンデリア風の造形に反発したのである。これが「未知との遭遇」の公開直前、直後ならまだわかる。10年も経っていて、にもかかわらず同じアイディアなのが許せなかったのだ。脚本に石上三登志が参加した結果がこれなのか。菊島隆三の名前にもびっくり。
 三船敏郎と若尾文子のシーンがいい。竹林のシーンも素晴らしい。実相寺昭雄監督が「ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説」で竹林をスタイリッシュに撮っていて目を瞠ったが、その前から崑監督はその美しさを認識していたのだ。




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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